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2018.10.16
硬いものは歯にいい?
こんにちは。ハート歯科クリニックの峯岡です。
季節は秋、朝晩肌寒くなってきましたね。
秋といえば食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋。
いろいろな楽しみ方があります。
私にとってはどれも魅力的ですが(^^)
最近食べた今年初めての秋の味覚は銀杏(ぎんなん)です。
広島市内を歩いていると、銀杏(いちょう)の木の下にぎんなんが落ちて芳しい香りを漂わせていますよね。
あの香りと金木犀の香りを感じると小学生の頃を思い出して、切ないような、なんとも言えない気持ちに包まれます。
話は逸れましたが…
ぎんなんには硬い殻があり、その殻を割って食べますよね。
殻が少し残って食べにくいなぁというときに殻を歯で割ったりする方はいらっしゃいませんか?
私はそれはしませんが、昔は梅干しの中の実がおいしくて種を歯で割っていました。
それで何が言いたいのかというと、硬いものを噛めるということは良いことですが
あまりに硬いものを噛むことは歯にとってダメージになりうるということです。
「歯にひびが入っていますね」「歯が割れています」と歯科医院で言われたことがある方もいらっしゃると思います。
歯にひびが入ったり(亀裂)割れたりする(破折)には色々な原因が考えられます。
それについてはまた次回取り上げようと思いますが、今回はそこに大きく関わる食べ物や噛む力のコントロールについて触れたいと思います。
噛む力、つまり咬合力とは咀嚼筋の収縮により、上下の歯に加わる力を指します。
その最も大きい力を最大咬合力といいます。
成人男性の場合、前歯で15キログラム。犬歯で25キログラム。小臼歯で40から50キログラム。大臼歯で60から70キログラム程度とされ、後方の方が咬合力は大きくなります。
噛む力ってこんなに強いんです!
なので力強く長く加われば加わるほど、歯が受けるダメージは大きくなり、割れるリスクも高くなります。
昔は硬いものは強く何回も噛んだほうがいい、歯が丈夫になるといわれていたこたともありましたが、そのような固定観念がある人は注意が必要です。必要以上に強い力を出すことがクセになっているかもしれません。
また、極端に硬いものが好きな人は、特に注意が必要です。梅干しのタネを噛み砕く、スルメ、ビーフジャーキー、ナッツなどを頻繁に食べることは危険です。
逆に日中は唇を閉じて、上下の歯を合わせない。本来、口の周囲の筋肉がリラックスした状態では、上下の歯は接触せず、わずかに隙間があいていることが普通です。この状態を安静位といいます。
キッチンに立っている時やパソコンなどの作業をしている時に歯を離してリラックスするとか、歯を噛みしめていることに気づく工夫をすることは非常に予防対策になると思います。
噛み過ぎによって起こる様々なリスク。
ここ数年、それを意識することの重要性をますます感じるようになりました。
たとえそれが小さな力でも持続的に作用すると想定外の破壊力につながることもあります。
噛む力をコントロールすることはとても大切です。
日常生活の小さな習慣や気づきがみなさんの歯の寿命を長くする(もしくは短くする)ことになるかもしれません。
何か気になることがありましたらお気軽に相談してくださいね。