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ハート歯科クリニック
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歯の話

唾液(だ液)の役割って?

こんにちは。

ハート歯科クリニックの峯岡です。

 

「口の中が何かネバネバした感じがして気持ち悪いし、ご飯が食べづらい」と来院される患者様がいらっしゃいました。

 

原因はなぜでしょうか?

 

口の中の環境複雑なので原因は一つには限定できませんが

それに大きく関わっているのが「唾液(だえき)」です。

 

つば、よだれ、などあまり良いイメージがない唾液ですが

実は私たちの体にとても大切な役割をもっているんです。

 

健康成人の場合、1日に分泌される唾液の量は1.0~1.5L(リットル)。

加齢的な影響を受けやすい性質があり、30代をピークにして減少し始めます。
また唾液の分泌量は、時間により変化します。食事中は増えますが、睡眠中は減少する傾向にあります。
また、精神的な影響を受ける傾向もあり、例えば、緊張すれば唾液の量は減少して口が渇いてきますし、酸っぱいものを目の前にしなくても想像するだけで唾液は出てきます。

 

唾液は、唾液腺というところで分泌されます。唾液は主に耳下腺、顎下腺、舌下腺の三大唾液腺から分泌されます。大唾液腺は、それぞれ分泌される唾液の性質が違います。

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唾液の役割

歯をとりまく唾液には、様々な働きがあり、むし歯や歯周病から私たちを守ってくれています。下に挙げた他にも、排出作用、凝集作用、味覚や水分調節作用など全身の健康にも大きく関わっています。

 

 

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1.消化作用

口は消化器官としての重要な働きも持っています。唾液の中には、アミラーゼという酵素が入っています。これは、でんぷんを分解する作用がある消化酵素の一つで炭水化物の消化に役立っています。

 

2.粘膜保護作用 

唾液には粘性タンパク質のムチンが含まれています。ムチンは水分を多く含む分子構造しており、粘膜や食べ物を覆う作用があります。粘膜の表面を覆ったムチンは乾燥を抑える保湿効果があるほか、食物などの外部からの刺激に対し口腔内の粘膜を保護する作用があります。

 

3.再石灰化作用

唾液の中には、カルシウムやリン酸といったさまざまな無機物成分が含まれています。これらの成分が、むし歯の前段階である、歯の表面が白くなった状態のときに、元の状態に戻そうとしてくれる作用を発現します。これを再石灰化作用といいます。

 

4.pH緩衝作用

再石灰化同様に酸性の環境から歯を守る機能がph緩衝作用です。

phが酸性に傾いた環境を中和させる機能のことをph緩衝作用といいます。緩衝作用の働きをする唾液中の成分が重炭酸塩やリン酸塩です。これらは酸を中和しphを一定に保ち細菌の発生する酸や酸性食品から歯の溶解を防いでいます。

 

5.自浄作用

歯の表面や歯間に付着したプラークや食べ物の残差を洗い流す作用のことです。唾液を出すことにより流れが良くなりますが、唾液の分泌量が減少していたり、ファーストフードなどよく噛まなくてもよい食事では唾液が十分分泌されず流れが悪くなります。また、スナックやせんべいのような歯に粘着性のある食品では唾液が十分分泌されても取り除かれません。

 

6.抗菌作用 

口の中には1グラム中に10の11乗程度の細菌が存在しており、中には病原細菌も無数に含まれています。容易に侵入されては生体にダメージが生じますが、唾液には抗菌作用を持つ物質、ラクトフェリン、リゾチームなどにより細菌の増加を抑えることが出来ます。

ラクトフェリンは口腔内の第二鉄イオンと結合する働きがあります。第二鉄イオンは細菌が成長するために必要な成分成分であるため、このイオンが補充できない状況では繁殖が出来なくなります。

リゾチームは細菌の細胞壁に作用し分解させる働きがあります。細胞壁が分解されると細胞は自然と溶解し始め、結果として細菌を死滅させます。

 

7.免疫作用

唾液の中にはIgA, IgG, IgM抗体という抗体が含まれており、中でも一番多いのが分泌型IgA(免疫グロブリンA)。外から入ってくる細菌を抑える抗体です。

 

 

このように唾液には色々な機能があり、加齢や飲んでおられる薬の影響で分泌量が減少すると様々な症状を引き起こします。

口内炎ができやすくなったり、むし歯になりやすくなったり口臭がしたり口の中がカラカラになり、そのせいで食べ物が飲み込みにくくなったり、美味しさを感じにくくなったり、消化しにくくなったりと、食事そのものが楽しくなくなってしまう場合もあるのです。

 

虫歯のイラスト「歯痛の男の子」

 

 

では唾液を増やすためにはどうしたらよいか?

日常生活の中でできることを紹介します。

 

1.よく噛んで食べる

噛むことで唾液腺が刺激され唾液の分泌量が増えます。できるだけ回数を重ねてゆっくり噛むようにしましょう。噛むことの副次的効果として、満腹中枢の刺激があります。しっかりと噛めば、満腹中枢が刺激されて、食べ過ぎを防ぐ効果も期待出来ます。    

 

2.ガムを噛む

ガムを噛むことも唾液を出すために有効な方法です。ガムを噛むことで唾液腺を刺激し、唾液を出しやすくしましょう。

糖類(砂糖,ブドウ糖,麦芽糖、水飴、果糖など)が入ったガムでは余計にむし歯のリスクが高くなる可能性があります。キシリトール100%のガムを噛むことをおすすめします。

ボトルガムのイラスト

 

3.水分補給

唾液は体内の水分量と関連しています。からだの中の水分が減少していますと、それに伴い唾液も減ってしまいます。
喉が渇いたと思えば、水分不足のサインかもしれません。水分を補給し、お口の乾燥を防ぎましょう。

 

 

4.舌を動かす

舌を動かすと、舌の下にある舌下腺や顎下腺という唾液腺が刺激されますので唾液が出てきやすくなります。

 

5.唾液腺マッサージ

 

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このように唾液は私たちの体にとても重要なものなのです。

日常生活の中で少し意識してみてください。

 

ただ唾液が減ったと感じられたり口が乾くといった症状の中に何か病気が隠れていることもあります。

気になる症状がある時はぜひご相談くださいね。