歯の話
2022.05.08
ホワイトニングで歯が弱くなる?
こんにちは。
ハート歯科クリニックの峯岡です。
みなさんは自分の歯の色を気に入っていますか?
私たちの歯は個人差はありますが、もともと少し黄色っぽい色をしています。それは歯の内側にある象牙質の色が外側のエナメル質に透けて見えているからです。
歯の色は、象牙質や歯の内側に入り込む有機物によって年齢とともにさらに濃くなります。
「ホワイトニングをしてみたい」と思っていても「歯に悪くないか?歯が弱くならないか?」と心配される方もいらっしゃいます。
しかし、実はその逆!
ホワイトニング後のペリクル(歯の表面を覆うタンパク質の膜。ホワイトニングによって一時的に失われるが、ホワイトニング約2時間後から形成され始め、約24時間で元に戻る。)のない歯は、ペリクルのある歯に比べて再石灰化しやすく耐酸性がアップするんです。
ホワイトニングの主成分である過酸化尿素・過酸化水素は、昔からホワイトニング以外の用途でも使用されており、実はなじみのある成分なのです。そもそも過酸化尿素は、歯周病の治療時に殺菌の目的で使用されていました。その際に歯が白くなったことから、転じてホワイトニングの施術に使われるようになりました。つまり、ホワイトニング剤は細菌を減らす働きを備えているので、むし歯や歯周病のリスクの軽減にとても有利です。
また過酸化水素はオキシドールとして傷口の消毒やうがい薬等として日常的に使用されており、体内に取り入れても無害で問題ありません。ホワイトニングをすることにより、歯を傷つけないかと気にされる方もいらっしゃいますが、歯をコーラに漬けた時よりもホワイトニングの方が損傷が少ないことが分かっています(実は食べ物や飲み物のほとんどは酸性です)。
ホワイトニング後のペリクルのない歯はカルシウムやフッ素を盛んに取り込みます。ホワイトニングフッ素やCPP-ACP(リカルデント)を塗布すると再石灰化がより促進され、さらなるむし歯予防効果が期待できます。
つまり、ホワイトニング直後は歯質強化のためのチャンスなのです。
この時間を積極的に使い、ホワイトニング前よりも硬く丈夫な歯にしましょう。