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2021.04.15
朝ご飯を食べなくても歯みがきは必要?
こんにちは。
ハート歯科クリニックの峯岡です。
突然ですがみなさんは朝、歯みがきをしていますか?
歯みがきのタイミングは食前ですか?食後ですか?
時々「朝ご飯は食べないので朝は歯みがきしないです。」という言葉を耳にすることがあります。
しかし朝食をとらなくても歯みがきは必要です。
その理由には唾液の量が関係しています。就寝中は唾液の分泌が極端に減ります。そのため口腔内が乾燥しやすく、口腔内の常在菌が唾液で流されにくくなります。
また、常在菌の活動が活発になり、細菌数は一気に増殖してしまいます。
つまり、起床時の口の中の細菌数はとても多いのです。
1日の中の唾液分泌量の変化
引用元:ライオン株式会社(歯周病の豆知識)
朝起きた時に口腔内のネバネバした感じや歯の表面がザラザラした感じを覚えたことはありませんか?また、口臭がきついと感じる方もいるでしょう。
これは、寝ている間に唾液の分泌が減少して細菌が増殖し、口腔内環境が悪くなっている証拠です。
特に高齢者の方は朝起きてすぐの歯磨きは健康面においても重要で、免疫の低下から誤嚥性肺炎になりやすくなることもあります。
不必要な細菌を体内に侵入させないためにも、朝食前にお口を清潔にしてから美味しく朝食を摂りましょう。
朝の歯みがきのタイミングはどうかというと、理想は食前(起床後)と食後、両方歯みがきをしたほうがよいです。なぜなら、それぞれに重要な意味があるからです。
起床後の歯みがきの意義は前述したとおりです。
食後の歯みがきの意義はむし歯予防、歯周病予防の観点で大切です。
食後、口の中は酸性に傾き、歯が溶けやすい環境になります。そこに食事に含まれる糖をエサとしてむし歯菌が増殖してむし歯ができるので、歯みがきによってなるべく早く中性に戻し、口の中の環境を整えることが大切です。
食後歯磨きしないと歯が酸にさらされている時間が長くなり、むし歯のリスクがあがります。
また歯垢(プラーク)は細菌と代謝物の塊で、1mgにはなんと1億個以上の細菌が存在しています。その歯垢が唾液中のカルシウムと反応し石灰化したものが歯石ですが、歯石はプラーク付着開始から約2日間で石灰化が始まるといわれています。そしてその歯石こそが歯周病の原因なので、食後の歯みがきはとても大切です。
近年、歯周病と糖尿病や認知症、その他色々な全身疾患との関連が指摘されていますが、全身の健康のためにも口のケアはとても重要です。
朝、歯みがきをすることで気持ちもすっきりしますよね。
口の中もさっぱりさせて、一日をいいスタートにしませんか?